人間の体は暑さを感じたり、運動などで体を動かしたりすると体温調整のために汗をかきます。

また強い緊張や恐怖を感じても汗をかきます。

これらはすべて生理的な反応です。

しかし、理由なく全身もしくは部分的に汗をかいてしまう症状があります。顔汗や手汗など理由もなく汗をかくのは、多汗症という病気の一種です。

多汗症には、神経疾患や感染症などの病気が原因となる続発性と、原因が分からないのに症状を発症する原発性の2種類があります。

また顔汗、脇汗、手汗のように部分的に発汗することを局所性多汗症、全身に発汗することは全身性多汗症といいます。

では顔汗など多汗症の症状があり、治療を希望する場合には、皮膚科と美容整形外科のどちらを受診すればいいのでしょうか?

皮膚科?美容外科?どちらに受診するのが良いの?

まず、本当に多汗症であるのかを調べることが大切です。

汗をたくさんかくからといって、それが多汗症であるかは専門の医師でなければ分かりません。

美容外科の場合は、患者の自己申告によって治療を開始するケースがありますが、皮膚科医の場合は、しっかり判断するまで治療に進むことはありません。

そのため、自分が多汗症でどの程度の症状なのかを知るために、まずは多汗症の治療を行える皮膚科を見つけることから始めましょう。

どうやって判断をするの?

顔汗の場合、症状の判断は次の通りです。


最初に症状が出たのが25才以下であること


対処性に発汗がみられること


睡眠中は発汗が止まっていること


1週間に1回以上の多汗エピソードがあること


家族歴がみられること


それらよって日常生活に支障をきたすこと

以上の中で2つ以上当てはまる場合は多汗症と判断されます。

多汗症と診断された場合は、重症判定を行います。

判定には自覚症状判定と専用の用紙を利用した汗の量を測定する方法があります。

まずは自覚症状に応じて次の項目で分類されます。

  1. 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
  2. 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
  3. 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  4. 発汗は我慢できず、日常生活に支障がある

以上の分類から皮膚科ガイドラインでは3と4を重症の指数としています。

検査方法には発汗部位で専用のヨード用紙に触れ、汗の量を目視で確認するヨード用紙法や発汗部位の皮膚に密閉できる小型カプセルをつけ、乾燥ガスを流し込み汗を蒸発させ、湿度から発汗量を調べる換気カプセル法があります。

これらの結果を基に、重症度に応じて治療を行いますが、軽症の場合は外用薬や内服薬治療となる場合があります。

美容外科を受診するならどんな時?

美容外科と聞くと痩身や美容のイメージが強いですが、多汗症の治療を行っているところも多いです。

しかし皮膚科と違う点は、治療へ移行するハードルが低いことです。

手術などの安易な医療行為はオススメしませんが、顔汗はボツリヌストキシン注射で汗を抑えることが可能です。

美容外科医も医者ですから、必要以上に身構える必要はありません。しかし、ただ漠然と「良くなりたい」ではダメです。

顔汗に対して自分はどのような症状緩和を望んでいるのか、ビジョンをはっきり持てるまでカウンセリングに通うことが大切です。

その上で自分の希望と治療方針が一致する場合は、美容外科での治療も検討してみましょう。

最後に

顔汗は多汗症の中で特に人目に付く症状のため、コンプレックスに感じている人も多いです。

しかし、多汗症は病気であり、汗をかいてしまうことは自分ではどうしようもできないことであることを周囲に理解してもらうことも大切です。

その上で、ご自分の症状に合った治療を行える病院を探してください。

参考サイト:公益社団法人日本皮膚科学会