人間は暑い場所やスポーツをしたときに、汗をかく(発汗する)ことで体温調節をします。

そして体温調節や精神的な緊張によって本来発汗するものですが、それ以外の状況で全身あるいは局部に発汗が集中することを全身性多汗症もしくは局所性多汗症といいます。

つまり顔汗は局所性多汗症に分類される、顔面多汗症と診断される症状に該当します。

一般的に局所性多汗症は発汗量が多く、日常生活に支障をきたす場合が多いです。

特に顔汗は、他人の目につきやすい場所のため、男性・女性問わず、顔汗をストレスに感じている方は多いようです。

また多汗症は、他の病気によって引き起こされる続発性と原因がない原発性(特発性)に分けられます。原因となる病気の一例では甲状腺機能亢進症、結核などの感染症、神経疾患などです。

病気などの原因が思い当たらない場合は、原発性の可能性もありますので、皮膚科での治療が有効です。

しかし治療となると検査も必要ですし、何か大きな病気のようで病院そのものに対して抵抗を感じる人も少なくありません。

病院に行くほど大げさなものではないかも・・・そんな人はまず自分でできる対処法を行ってみませんか。

手軽で、誰でもできる顔汗予防・改善方法を紹介します。

まずは冷やしてみる

汗が噴き出る汗腺は、熱によって反応します。そのため冷やすことで汗を抑制できます。

また、顔汗が出たことで周囲に見られたくないと思うことで、体の火照りを余計に感じる人も少なくありません。

そんな時は、冷やすことで気持ち的にも落ち着くことができます。

小さな保冷剤や冷たいペットボトル、濡らしたハンカチを冷蔵庫で冷やしておく、熱さましシートなど、身近にあるもので冷やすといいでしょう。

冷やす場所は、太い血管がある首の後ろがオススメです。

特に顔汗によるメイク崩れが気になる女性は、首の後ろを冷やしながら行うことで、よりメイクの仕上がりを整える効果が期待できます。

顔用の制汗剤を試してみる

一般的に脇汗用の制汗剤は多く売られていますが、あまり馴染みがないのが顔用の制汗剤です。

この「顔用」制汗剤ですが、脇用の制汗剤同様にスプレーでシュッとするだけで使えるものや、メイク下地がわりにもなる乳液タイプまでありますので、ご自分の症状や状況に合わせて選びましょう。

またドラッグストアに取り扱いがない場合やレジでの購入に戸惑いがある方は、ネットでも購入ができます。

制汗作用なので、発汗に対する予防効果が期待できます。

発汗抑制バンドを使用する

発汗抑制バンドと聞くと、すごいアイテムのように感じるかもしれませんが、実は昔からとある場所で使用されています。

それは京都などで華やかな着物に身を包み、白粉化粧で着飾った艶やかな姿の舞子・芸子です。彼女たちは夏でもメイクを崩すことができません。

そんな舞子・芸子は顔の発汗を抑制するために胸の高い位置で紐を結んでいるのです。

顔汗で悩む人は、舞子・芸子が行うより胸より高い位置を圧迫することで、胸以上の場所の発汗(=顔)を予防することが可能です。

この方法は半側発汗といいます。皮膚を圧迫すると、圧迫した反対側の発汗を抑えられるのです。

発汗のメカニズムは交感神経が優位の状態なので、反対側の場所を圧迫することで交感神経を刺激して汗を予防できます。

舞子・芸子は帯ですが、紐でも代用ができます。ただし、慣れない人は発汗抑制ベルトを使用するのもいいでしょう。

リラックスすることも忘れないで

顔汗をかく人に多いのは、汗をかいている姿を他人に見られることに対する自己嫌悪です。

他人から見て、スポーツをしているアスリートを除くと大量の汗はあまり良い印象を抱きません。

そのため汗をかいている姿を見られたくない、落ち着かない、汗をかいたらどうしよう…と緊張することでさらに顔汗が出やすい状況を作り出してしまっているのです。

汗をかきそうになったら、深呼吸や気分転換などをしてみましょう。

人のいない場所に行く、外に出る、可能な状況なら顔を洗うなどもオススメです。

また家族や友人など身近な人には、顔汗は自分ではコントロールできないことを伝え理解を得るだけでも違います。

自分が落ち着く方法が見つかったら、その方法で緊張感を切り抜けましょう。

どうしても顔汗を抑えられないときは

顔汗が出ることで気持ちが落ち込み、外へ出たりすることが億劫になるなど、ライフスタイルに支障をきたすようになります。

顔汗が原因で自分に自信が持てない、仕事に集中できない、恋人ができないなど悪循環を引き起こしてしまうことも少なくありません。

そんな時は迷わず皮膚科を受診することをオススメします。

皮膚科では顔汗を含む多汗症に対する検査や治療を行うことができます。

医師に診断してもらい、適切な治療を受けることで顔汗が軽減、または完治することが期待できます。

まとめ

男性女性ともに、不快だと感じる「顔汗」ですが、ちょっとした方法で軽減させることができます。

今回紹介した方法を試してみて、ご自分に合った方法をぜひ見つけてください。

少しでも顔汗が軽減すれば、それだけで気分も違いますよね。

ただし、ダメなときは無理をせずに医療機関への受診をお忘れなく。

参考文献:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版(PDF)

参考書籍:ひどい汗かきー多汗症(NHKきょうの健康Qブック)